パニック障害とは、突然、動悸・息切れ・呼吸困難・めまい・吐気などの恐怖を覚えるようなパニック発作が起こり、それが何回も繰り返される病気です。パニック発作を繰り返すうちに、発作が再発することへの不安が強くなる予期不安や、発作が起きたときに助けが得られないことを心配して公共交通機関などに乗れなくなる広場恐怖や、うつ症状が現れるようになることがあります。薬物療法でパニック発作が起こらないようにコントロールし、苦手な状況を少しずつ克服していきます。発作がクセになってしまわないよう、お早めにご相談ください。
主な症状 | |
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全身症状 |
息苦しさ、めまい・ふらつき、脱力感、寒気やほてり |
自律神経症状 |
動悸、胸の痛み、吐気や腹部の不快感、発汗、呼吸が速くなる |
筋肉の緊張症状 |
体の震え、こわばり、しびれ |
過呼吸症候群 | |
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発作のために呼吸が速くなって過呼吸が起こると、手足のしびれ感や冷感や眩暈などの症状が現れます。これらを過呼吸症候群と呼んでいます。紙袋を口に当てて呼吸をしていると次第に症状が和らいでいきます。これは過呼吸で吐き出しすぎた二酸化炭素をもう一度吸うことでバランスが取れるからです。 |
現在、パニック障害には「薬物療法」「認知行動療法」の2つの治療法があります。
● 薬物療法
パニック障害は治療しないと徐々に悪化していきます。そのために、後述する薬物を使用して、完全にパニック発作をコントロールします。はじめてパニック発作が起こってから2~3ヵ月以内で、予期不安や広場恐怖がまだ強くなっていない時期にきちんと治療することが重要です。パニック発作の制御には薬物は極めて効果的です。使用する薬物は選択的セロトニン再取り込み阻害薬を中心とする抗うつ薬とベンゾジアゼピン系抗不安薬です。
● 認知行動療法
薬物療法が第一選択ですが、それと組み合わせて認知行動療法を行うこともあります。患者さまが避けている状況に少しずつ挑戦してもらう療法で、エキスポージャーと言います。