うつ病とは、憂鬱な気分、気力が無い、考えがまとまらないなどといった症状が続く疾患です。
またこれらの症状に加えて、不眠、食欲の低下、からだがだるい、肩が凝る、頭が重たくなるなどの症状が現れることが多いのが特徴です。気分が憂うつで全くやる気が起こらず、「自分はだめな人間だ」と悲観的になったり、「大変な過ちを犯してしまった」と自責的になったりなどの症状が現れ、朝は特に症状が重いが夕方になると気分が少し良くなるなど日内変動がおきたりします。
このような症状は、誰にでも起こることがありますが、生活が成り立たないほど症状が重く、長期間持続する場合にうつ病と診断されます。うつ病の治療には、休養と薬物治療が必要となります。
精神症状 | |
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抑うつ気分 |
気分が落ち込む、憂鬱で何の希望もなくなる |
意欲の低下 |
今までの趣味をやる気になれない、不安や落ち着きのなさでじっとしていられない |
思考力の低下 |
集中力が低下し仕事の能率が落ちる、些細な決断ができない |
身体症状 | |
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動悸、発汗、めまい、しびれ、口の渇き、胸部圧迫感・呼吸困難感、頭痛などの自律神経症状,便秘や下痢、吐き気・嘔吐、腹痛、腹部膨満感などの胃腸症状, 睡眠障害、食欲減退・体重減少、全身のだるさ・疲れやすさなどの症状 |
現在のうつ病治療は「休養、環境調整」、「薬物療法」、「精神療法」の3つが中心となります。
まず、治療を始める前に、これまで抱えてきた仕事や家事などの荷物を少しの間下ろし、疲れたこころとからだを十分に休めることが重要であることを患者さまに理解していただきます。そして、薬物療法によってうつ症状の原因となっている脳内アミンのバランスの乱れを調整していきます。精神療法の中心は認知療法で、これは、患者さまの情緒の障害と密接に関連している認知の歪みを修正して、患者さまが問題を解決できるように支援する治療法です。