不安とは「気がかりな心の状態。安心できないさま」のことをいいますが、不安を感じるからといって、日常生活に支障をきたすことはあまりありません。不安は誰しも感じるものであり、ストレスへのセンサーとして働いている必要なこころの機能でもあります。ところが誰もが感じる程度をはるかに超える不安を持ち、「特定の状況の限定されない、理由の定まらない不安や心配」が長期間続き、このような不安や心配によって日常生活に支障をきたしてしまう病気を全般性不安障害といいます。
このような症状があればご相談ください。
●仕事や学業などの多数の出来事または活動について、過剰な不安と心配がある。しかし、その原因は特定されたものではない。
●不安や心配を感じている状態が6ヶ月以上続いており、不安や心配がない日よりある日のほうが多い。
●不安や心配をコントロールすることが難しいと感じている。
不安や心配は、次の症状のうち3つ以上の症状を伴っています。
全般性不安障害には、大きく分けて「薬物療法」と「精神療法」の2つの治療法があります。病気の本態(病気のもと)は不安にありますので、まずは薬を使って不安をコントロール可能なくらいまで軽くし、精神療法によって患者さま自身が不安をコントロールできるようにしていきます。
● 薬物療法
海外では、早い時期から薬物による治療の研究が盛んに行われており、既に全般性不安障害の治療薬として承認され患者さまの治療に使われている薬もあります。SSRIという抗うつ薬や抗不安薬といった薬で不安をコントロールできる状態に整えます。